– 激動!! 第7レグ「ボルボオーシャンレース」(4/02)

海外レース情報
2018/4/02


「ボルボオーシャンレース」Leg-7は、3月18日のスタートから今日で2週間が経過。
サザンオーシャン第2幕ということで、先週はいろいろありました。

ここまで、総合で首位を行く〈マフレ〉は、このレグも24日ごろまではトップを突き進んでいたのですが、マストトラックが外れ……というところまでは先週号でお伝えしました。

Leg-3のサザンオーシャン第1幕でも〈アクゾノーベル〉が同様のトラブルで順位を大きく下げてしまいましたが、〈マフレ〉はマストトラックとマストをベルトで締め上げ、なんとか走り続けます。
ただし、スライダーカーがベルトに引っかかってしまうので、1ポイントか2ポイントのリーフしかできなくなっている模様。

……というところで、26日。
1艇だけ大きく遅れていた〈スカリーワグ〉のクルーJohn Fisher(47歳:英)が落水。

ケープホーンまで1400マイルもあるサザンオーシャン。風速35~45ノット、4~5メートルの波。雨も降っていて視界も悪いという荒天下で、水温はわずか9度。
なんとか落水地点に戻って捜索するも、発見できず。

詳しくは→こちらにレポートされています。

先週号でご紹介したように、そこは最果ての海──ポイント・ニモの近くです。海はますます時化てきて、残ったクルーの安全を考えて捜索は打ち切り。〈スカリーワグ〉は最寄りの陸地(チリ)に向けて落水現場を離れます。もちろんレースはリタイヤ。


3月29日。マストトラックが外れる(剥がれる、と表現した方がいいか)というトラブルを抱えていた〈マフレ〉は、バテンがセールを突き刺してしまったのか、とうとうメインセールも破れ、レースをサスペンド。ケープホーンの入り江で修理を試みます。

ショアチームが手配した大型ケッチに横抱きし、マストとセールの修理。
12時間の作業で修理を終え、戦線復帰します。

このレグは得点が2倍なので、リタイヤとビリでも完走とでは大違いです。


残るフリートは、この日、〈ブルネル〉がトップでホーン岬を回航。

Leg-4で人身事故を起こした〈ベスタス〉も二番手で回航。

続くLeg-5、Leg-6とDNSだった同艇。よーしここで復活か!!

というところで、3月30日にディスマスト。
第1スプレッダーから上がポッキリいってます。
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"THERE WAS A BIG BANG AND THE RIG BROKE JUST ABOVE THE FIRST SPREADER… " 💥A look back at the moments after Vestas 11th Hour Racing lost their rig. The crew are safe and arrived in Port Stanley, Falkland Islands to consider their next move.

Volvo Ocean Raceさんの投稿 2018年3月31日(土)

ほんとに突然のポッキリ、だったもよう。
乗員に怪我はなく、機走で近くのフォークランド島に入港しました。
こちらも、リタイヤ。
まあ、不幸中の幸いともいえ、これがサザンオーシャンだったら……。

とはいえ、フォークランド島はイギリス領で人も住んでいるようですが、はたしてここに貨物船を手配して積み込むことができるのか?
あるいは燃料をいっぱい積んで自走か。
イタジャイまでは1500マイル以上ありますが、Leg-8のスタートは4月22日なので、時間的にはなんとかなりそう。

ただ、Leg-4に続くこのトラブルで、はたしてチームのモチベーションは持続できるのか?

スポンサーのベスタスからすると、前回に続いて……でもあるし。


というところで、同じ30日。すぐ後ろを走っていた〈TTP〉もマストトラブル。

こちらは、セカンドスプレッダーの付け根がおかしいようで、右舷側だけやけに後ろに傾いているとのこと。

メーカー(Southern Spars)やボートヤードのマスト担当者、チームのショアマネージャーとで協議し対策を練り、なんとか小さめのセールにしてポートタックで走り、マストに負荷がかからないようにしてレースは継続。

こちら、「Turn the Tide on Plastic back in race mode」というタイトルの記事ですが、記事を読むとなんだか応急処置という感じなんですが……。
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と、とにかくマストのトラブルが多すぎます。
ワンデザインで、ボートヤード制で、これじゃどうも……ねぇ。

「Sailing Anarchy」のBrian Hancockは、John Fisherの落水も船のデザインのせいだ、と書いてます。
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うーむ。