– 「ボルボ・オーシャンレース」Leg-4、〈スカリーワグ〉優勝。 〈ベスタス〉は漁船と衝突。漁船側に死者1名 (1/22)

海外レース情報
2018/01/22



「ボルボ・オーシャンレース2017-2018」Leg-4レグ(メルボルン-香港)は、香港ベースの〈スカリーワグ〉が見事にトップフィニッシュ。初出場で初の寄港地となった香港にトップフィニッシュですから、さぞかし嬉しいでしょう。

と思いきや、2番手を走っていた〈ベスタス〉が、フィニッシュ30マイル手前で中国籍の漁船と衝突。漁船の乗組員1名が死亡するという事故となりました。
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と、これがレース主催者側から出てきた第一報。

他からは写真も出ています。
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夜中の1時半頃です。
相手船は左舷側から来て〈ベスタス〉の左舷に当たったということか。
おそらくスターボードタックで走っていたと思われ。となると風下側で〈ベスタス〉側からは、見えにくかったのか?

米国とデンマークのフラッグを掲げる〈ベスタス〉は、Leg-1からのスキッパー、Charlie Enright(米:33歳)が、このレグで艇を降りています。身内が入院したからとのことですが、代わりに前回の〈アルビメディカ〉以来の盟友Mark Towill(米:29歳)がスキッパーを務めるという、(仮)状態。事故後の処理も大変でしょう。

主催者側から続報が出ました。
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この記事でも、
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that a nearby commercial vessel had rescued nine of the crew from the other boat, and a tenth was taken to hospital by helicopter after he had been rescued from the water by the Vestas 11th Hour Racing crew.
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と、前日の記事からさほど変わらず、正直いってレース本部のほうでも状況が良く分からないもよう。

近くにいた商船(commercial vessel)が9人のクルーを他のボート(これが衝突した漁船か?)から救助した。
別に、〈ベスタス〉のクルーによって海上から助けた10人(の漁師)はヘリで病院に搬送された。
そのうちの1人が亡くなった。
ということ?

つまり、衝突した漁船には19人が乗っていた?
やけにでかい漁船だと思いますが。
後の方を読むと、10人乗りみたいなことも書いてある。

※追記(1/23)—–
衝突相手の船には10人乗っていて、9人は近くの商船が助け、1人をベスタスが海から引き上げヘリで病院に運ぶも、死亡した、ということですね。—–

そして、漁船の方はどうやら沈没したようだ、ともあります。

いや、漁船かどうかもよく分からないのか?
20日の記事では「fishing vessel」となっていたのが、21日の記事では、「non-racing vessel」になっています。

いずれにせよ、〈ベスタス〉の乗員には怪我はなく、自力で近くの港まで走りきった。と、これは確認できているようでなによりですが、

どのような状況で衝突したのか。
そもそも〈ベスタス〉側があの程度のダメージで乗員にも怪我が無く、10人乗りの漁船が沈むか?
相手の船は無灯火だったのか? AISは?
あたりはまったく不明。香港の官憲による捜査に入っている、と。
〈ベスタス〉の乗員全員も捜査に協力するということで、身柄は拘束されている? とは書いてありませんが、〈ベスタス〉側からの直接のコメントが一切載っていないので……可能性はあり。


こんな動画もアップされてますが、掲載されている写真はなんか怪しいです。

後続の〈ドンフォン〉、〈アクゾノーベル〉の2艇からは救助に加わるという申し出があったものの、レース本部、〈ベスタス〉、香港海事救助調整センター(Hong Kong Maritime Rescue Coordination Centre)、いずれからもその必要無しと連絡。レースを続行し、フィニッシュしています。


ということで、ホームタウン香港で見事ファーストホームした〈スカリーワグ〉ですが、この衝突事故のおかげで諸手を挙げて喜べなくなっちゃったらかわいそうです。

〈スカリーワグ〉は、このレグから女性ナビゲーターLibby Greenhalgh (英:37歳)を起用。

ソロモンを越え、西進を始めるタイミングではビリッカスでしたが、最も西よりから一気に前に出、フリートのトップに立ちます。

さあ、このままトップを保つのか。
というところで、落水。
とこれは先週号でお伝えしました。

みごとにリカバリーしてトップを保ちます。
このレグからベテランのGrant Wharington(豪:53歳)も乗り込んでますが、こういうときに場をシメる役割を果たすのでしょうか。

リードを保ってトップフィニッシュとなりました。

ここまでの順位、

1位 2-1-1-4 33点 マフレ  
2位 3-2-2-2 29点 ドンフォン
3位 1-3-3-* 23点 ベスタス 
4位 5-6-5-1 19点 スカリーワグ
5位 6-4-4-5 17点 ブルネル
6位 4-5-7-3 14点 アクゾノーベル
7位 7-7-6-6 8点 TTP

となっています。


この後、1/27、1/28に香港でインポートレース。
2/1に香港をスタートし、中華人民共和国の広州(Gangzhou)までのLeg-5。
これはポイントには加算されないお祭りイベントのようですが。
衝突死亡事故が起きてしまっているので、盛り上げるのは大変そう。

2/5には広州をスタートし、Leg-5の帰路で香港へ。

Leg-6(香港-オークランド)は2/7スタートです。

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