ウエブサイト開設に関して、植松副会長に聞く

Talk on Breeze : Vol.1 インタビュー

JSAF 副会長 植松 眞
聞き手:高槻和宏
2011/12/05
photo by Junichi hirai/BULKHEAD Magazine


— 今日は、JSAF外洋艇推進グループの広報ウエブサイト開設にあたって、JSAF副会長で外洋艇推進グループの植松眞氏にお話を伺います。

JSAF副会長の植松です。ひとつよろしくお願いします。

— まずはなにより、「外洋艇」というくくりが曖昧ですよね。アメリカズカップ委員会なんてのも入るわけでしょ。マッチレースって、外洋レースの対極みたいなもんですよね。

それはそうなんだけど。そもそも、JSAF(日本セーリング連盟)というのは、JYA(日本ヨット協会)とNORC(日本外洋帆走協会)という別々の組織で活動していたものが統合して生まれた組織なんです。国際連盟に加盟して日本のセーリング競技を統括する大きな組織なんで、その中でディンギーとクルーザーの棲み分けがなかなか難しいんですよ。元々、別々に活動していたんだから。
統合時(1999年4月1日)には私はもっぱらレースに出るばかりで、統合にあたっての詳しい経緯はよく分からないんですけどね。今私が担当している外洋艇推進グループというのも、統合時には外洋本部といって、JSAFの中で外洋艇部門を統括しようということだったんだけど、単に「外洋」といってもどうもうまく区分けができなかったようで。でもディンギー部門では扱いきれない分野というのはあるわけで、そこの部分を推進しようということなんですね。

— なるほど。無いとやっぱりうまくいかない…

とはいえ、国内外洋レースの最高峰であるジャパンカップの参加艇は減る一方で、外洋艇をいかに推進していくか、困っているわけ。

— でも、クラブレースやオープンヨットレースは活気がありますよね。

そうなんですよ。そうなんだけど、オープンヨットレースに出ている人って、ほとんどがJSAFの会員じゃないですよね。

— でも、主催しているのは、JSAFに加盟しているヨットクラブなどの団体ですよね。

そうですね。ヨットレースを主催するには、JSAFに加盟している団体でなくてはならないですから。(注1)

— JSAFに加盟しているヨットクラブの会員なら、JSAFの会員ということになりません?

そうなんだけど、やっぱりお金の流れというものがあるわけで。JSAFもお金集めないと運営していけないから。JSAFに加盟するヨットクラブが増えてきた今、そこのところをうまく制度改革しなくちゃ運営していけないんですよ。でもそれがなかなか難しい。

— 旧NORCの支部だったいわゆる外洋加盟団体と、特別加盟団体としてJSAFに加盟しているヨットクラブの違いもよくわかりません。

そこなんです。JSAFとして、「今何が問題なのか」「どうすればその問題を解決できるのか」「なぜそれができないのか」、そこんところを、みなさんに知ってもらいたいのです。

— みなさんとは?

JSAFの会員の方、JSAFに加盟している団体の会員の方、そうでない方、すべてです。そのためにはホームページで情報発信するのが有効だろうと思ったわけ。やらなきゃ先に進めないと思ったわけです。

— 僕は何をすればいいんですか?

まずは、JSAFに加盟している団体の活動記録を集めてまとめてください。各団体はウエブサイトをもっているところが多いので、それを巡回して更新情報をまとめてもらえればいいです。

— それをホームページに載せる?

そうです。恵利さん(注2)、ウエブの仕事してますよね。夫婦でやってもらえれば話は早いし。ホームページ作って運営してください。

— JSAFとして、加盟している団体の活動記録をつける。ログブックみたいなもんですかね

そう。あと、様々な委員会が結構頻繁に会合を持っているんですが、ほとんどの会議は東京で行われる。関東以外の方がそれに参加するのは時間的にも金銭的にも難しい。となるとどうしても関東中心に話は進んでしまう。それ以外の地域の方からしたら面白くないと思うんですね。
そういうのも、ホームページで意見交換できれば、日本中の方に参加してもらえるかなと思って。各界の方に原稿執筆依頼しますが、原稿集まらなかったら高槻さんも書いてね。その分の原稿料は出ないけど。

— タダ?

そうよ、僕もタダ働きなんだから。というより、僕の場合は持ち出し。それでもなんとか外洋艇を推進していきたいんです。高槻さんだって、これまでさんざんJSAFのお世話になってきたわけでしょ。恩返しというかご奉公というか。そういうスタンスでお願いしますよ。

— JSAFにはたいしてお世話にはなってないと思いますけど。分かりました。植松さんの頼みじゃしょうがない。

いやいや、改めて考えると、結構お世話になっているんですよ。
あと、ログの部分は毎週更新ね。

— 毎週? 

一つ、よろしく。


ということで、この後開かれた外洋総務委員会、理事会で承認を受け、
JSAF外洋艇推進グループのホームページ On Breeze を作ることになりました。
ログページ Log on Breeze は、ほぼ毎週更新、、、の予定です。
ここのコーナー「Talk on Breeze」の原稿も大歓迎です。原稿料は出せませんけど。

注1:
『セーリング競技規則(RRS)2009-2012』の規則89.1で、レースの主催団体は「(c) 各国協会加盟の、クラブまたはその他の団体」等と決められている。JSAFはここでいう「各国協会」にあたる唯一日本を代表するナショナルオーソリティーであり、日本でヨットレース(『セーリング競技規則』を使ったセーリング競技)を主催できるのは、JSAFに加盟した団体のみ、ということになる。

注2:
高槻恵利。ここでのインタビュワー高槻和宏の妻でウエブデザイナー。このサイトの運営管理者。