Talk on Breeze : Vol.2 インタビュー
玄海ヨットクラブ(JSAF外洋玄海)末松 明会長
聞き手:高槻和宏
2012/02/29
– ご無沙汰しております。
おお、今マレーシアに住んどるんやった? たしか、葉山に送った年賀状が戻って来たと思う。
– すいません。ちょくちょく日本には帰ってるんですけど。
そうそう、「玄海ヨットクラブ」と「JSAF外洋玄海」の違いが分からなくて。というか、「JSAF外洋玄海」が「玄海ヨットクラブ」に名称変更したんですね。
2月9日の「Log on Breeze」で、西山寺カップヨットレースのお知らせを掲載したんですけど、「外洋玄海」って書いちゃいました。重ねてすいません。
ちょうどクラブ運営から離れていた頃のことなので、いきさつは実はよく分からないんだけどね。
聞いた話では、JYAとの統合時にJSAFの方から、NORCの各支部は独立するよう指示されたみたいで、じゃあ「玄海ヨットクラブ」にしようってことになったんだけど、外洋系団体としては「JSAF外洋○○」という名称にしなければならないと言われたんだそうな。
そこで、現在、会の名称は「玄海ヨットクラブ」で、JSAF業務は「JSAF外洋玄海」として行っていると、ちょっとややこしい話ですが。
– なるほど。いや、よく分かりました。
メンバーの平均年齢は59歳。月1回のポイントレースを開催してたんだけど、レース運営がきついので今年からはオフショア中心で年4レースのみ。
今年はアリランレースは無いんだけど、代わりに「西山寺カップ」が始まったというわけ。
今日はそこのところを宣伝してもらおうと思って。
アリランレースには出たことあったやろ。
– いや、アリランレースは出てないんですよ。
あれ、そうやったかいな?
– 末松オーナーの〈バンガード〉に乗せて貰ってジャパンカップに出て以来です。
あれ、そうか? アリランレースは隔年開催で、昨年(2011年)が第20回。〈タキヨン〉に旧〈バンガード〉チームで乗り込んで優勝したよ。
まあ、それはどうでもいいんだけど、今日は「西山寺カップ」。
– はい。「せいざんじ」って読むんですね。
そう、対馬の厳原にある由緒あるお寺で、アリランレースに参加する艇は昔からここで出国手続きなんかのお世話になっている。住職の田中和尚は以前、35ftのクルーザーのオーナーだった人で今回の大会会長をされている。
– 和尚が大会会長ですか。なんか威厳がありますね。
今年は、西山寺開山1200年、日韓交流500年ということで、その記念行事の一つ
がこのヨットレース。
まずは、西山寺めざして対馬の厳原港まで回航してもらって、厳原沖をスタート。
これが4月29日。
コースは2つあって、「玄海コース」は博多湾内でフィニッシュ。
「釜山コース」は、韓国の釜山でフィニッシュ。こちらは国際レースになるわけ。
玄海ヨットクラブと、対馬セーリングクラブ、釜山廣域市ヨッティング協会の共同主催となります。
– 対馬セーリングクラブというのもあるんですね。
もともと、対馬はグアムや釜山の影島と姉妹島関係を結んでいて、玄海ヨットクラブが仲介して「三姉妹島ヨットレース」を3島が持ち回りで開催してきている。
事故以来、中止となった「東京~グアムレース」がここに繋がっている訳よ。
– 姉妹都市、じゃなくて、姉妹島ですか。面白いなぁ。
で、「三姉妹島ヨットレース」ですか。いいなぁ。「三姉妹」ってなんか色気のある響き。
MYC(マリアナスヨットクラブ)の人達も「三姉妹島ヨットレース」や「アリランレース」に参加して我々とレースを楽しんでいる。
我々もロタレース(グアム~ロタ)に参加させてもらったりして仲良くしている。
アリランレースには昨年もグアムから参加してもらっている。回航が大変なので乗員だけ来てもらって福岡の船に分乗、田中和尚も参加してもらったよ。
左から、末松会長、西山寺の田中和尚、グアムのG.ジョンソン
(昨年のアリランレース前夜、釜山の焼肉屋にて)
– あれ、右の人、知ってます。
君にもコミッティで協力してもらった「オークランド~福岡レース」のグアムフィニッシュ&スタートではお世話になったG.ジョンソン氏ね。あれ以来 家族ぐるみで付き合うようになったヨットマン。
2年前、ジョージの長男は西山寺で1ヶ月間修業させてもらったらしいよ。
– えー、それすごい。僕、今ちょっと仏教に興味がありまして。
西山寺ではレースの前日に簡単なパーティをやって交流を深め、本堂に雑魚寝して翌朝 座禅→お粥を頂きレースに臨む。和尚の好意で宿泊費+朝食はタダらしいよ。
スタートし、対馬最北端にある三つの小さな無人島、三島目指して対馬東海岸を北上。ここにある三島灯台は明治27年に点灯されたという、これまた由緒ある灯台で。ここから釜山までは22マイルくらい。総距離は約65マイルだから、翌朝にはハーバーで入国手続きをやっていると思う。
– えー、すごいすごい。本堂に雑魚寝で、翌朝座禅&お粥!? 出たいっす。
本堂の鐘もついてみたい。
余計なことせんでいいから。
今回、さらに面白そうなのが、「西山寺カップ」が終わった後。
5月4日から6日まで、釜山で「BUSAN SUPER CUP」が開催される予定で、これが賞金総額1億ウオンということで、回航補助金も1艇200万ウオン、約13万円出るということなんだけど。
1月29日に釜山で会議をもち、その後なんだか反応が鈍かったんだけど、ちょうど今、公示が届いたところ。
どこかからダウンロードできるようにしておきます。
– 賞金に回航補助金って、景気のいい話ですね。
韓国セーリング界において、釜山はヨットの本家を自負しているみたいなんだけど、このところインチョンの方が活発になってきていて、どうにも負けられないって感じみたいよ。今後は上海、青島などの中国の活動も派手になるでしょう。
– なるほど。ちょっとしたセーリングバブルですかね?
「BUSAN SUPER CUP」は毎年開催ということなので、来年は「アリラン・レース」ともコラボできそう。
– なるほど。これも面白そうですね。
おかげさまで、アリランレースは毎年大人気で。
– 末松先生、そういうのうまいから。学生時代に海の家で儲けた話、良く覚えてますよ。
来年のアリランレースには、韓国、中国、ロシアからも参加艇が増えそうなんだけど、そうなるとビザの問題なんかがややこしいのよね。
いやいや、今回は「西山寺カップレース」の宣伝です。
詳しいことは順次ホームページに掲載していくので、ぜひとも注目していてください。