-「第37回 ア杯」挑戦艇は60年ぶりの英国に

「アメリカズカップ」の挑戦艇を決める「LOUIS VUITTON CUP」は8/29(木)に開幕し、
〈INEOS Britannia〉(Royal Yacht Squadron)英国
〈Luna Rossa Prada Pirelli〉(Circolo della Vela Sicilia)イタリア
〈Alinghi Red Bull Racing〉(Société Nautique de Genève)スイス
〈NYYC American Magic〉(New York Yacht Club)米国
〈Orient Express Team〉(Société Nautique de Saint-Tropez)フランス
の5チームから、決勝に進んだのは、〈INEOS Britannia〉〈Luna Rossa Prada Pirelli〉
下馬評通りというところでしょう。

で、9/26から始まった決勝戦は7勝先取で勝ち抜きなのですが、、、。これが大接戦で。
両者互角で勝ったり負けたりの4勝4敗で迎えた10/2(水)。日本時間の夜遅くに行われた第9レースで〈INEOS Britannia〉が勝利。1日2レースなので、続く第10レースで〈Luna Rossa Prada Pirelli〉が勝てば5勝5敗でまだまだ続く大接戦なのですが……。

風下側から僅かに頭を出して良いスタートを切った〈INEOS Britannia〉。爆速のAC75クラスでの自艇周りの風がどのように捻れるのか良く分かりませんが、リーバウの優位な範囲はより広がるのか。風上側にいた〈Luna Rossa Prada Pirelli〉が先に返して右海面に。これは逃げるということか。後を追う〈INEOS Britannia〉。
コース中央付近で返してきた〈Luna Rossa Prada Pirelli〉に、キッチリ押さえのタックを決める〈INEOS Britannia〉。ここで良い風を掴んで勝負はあったか。

と、この日2連勝して6勝-4敗とあと1勝の王手をかけた〈INEOS Britannia〉。

そして迎える第11レース(10/4)は、やはり下(シモ)から僅かに先行してスタートの〈INEOS Britannia〉。両艇右海面奥まで展開した後に先にタックを返した〈Luna Rossa Prada Pirelli〉の目前で〈INEOS Britannia〉はきわどいタックを見事に成功させます。
後が無い〈Luna Rossa Prada Pirelli〉と、余裕が出てきた〈INEOS Britannia〉の差ですかね。あの艇速でよくまあできるなと。
ここがこのレースの勝負どころ。で、「LOUIS VUITTON CUP」全体を通しての一番の勝負どころだったということにもなりますか。

で、後は余裕でリードを広げた〈INEOS Britannia〉。第9レースから3連勝しみごと挑戦艇に決定しました。

英国のヨットクラブが挑戦艇になったのは、1964年の〈Sovereign〉(Royal Thames Yacht Club)以来。
カップ発祥のRoyal Yacht Squadronが挑戦艇となったのは、1958年の〈Sceptre〉以来です。そして、1885年の〈Genesta〉までの100年間はずっと英国からの挑戦だったわけで……。

「第37回アメリカズカップ」正式名称は「LOUIS VUITTON 37TH AMERICA’S CUP」は10/12(土)から。
やはり7勝先取で勝敗が決まります。

レース結果は→こちらから。
大会webサイトは→こちら
youtubeでは→こちらから。