– 外洋ヨットレースの今昔

海外レース情報
2019/4/01


Log on Breeze、4月の表紙は、「Golden Globe Race 2018」から。

「Golden Globe Race 2018」(GGR)とは、昨年、2018年7月1日にフランスのLes Sables-d’Olonneをスタートした、1人乗り無寄港世界一周レースです。

同じLes Sables-d’Olonneをスタートする「Vendée Globe」は、最新鋭の60ft艇IMOCA60を使った1人乗り無寄港世界一周。こちらは同じ単独無寄港でも、原点回帰の世界一周レースです。

使用艇は、全長32ft~36ftで、1988年以前に設計された重排水量のロングキール艇を使用。
ロングキールは、「full-length keel with rudder attached to their trailing edge」と表現されています。20隻以上が建造されたプロダクションボートであることともなっています。
まあ、古い型の外洋ヨットということ。

衛星トラッキングシステムは搭載していますが、これは外部から艇の動向をチェックするためのもので、非常時以外はナビゲーションにGPSの使用を禁止。
別に1日2回、テキストメッセージで生存確認する……
と、1968年に開催された世界初の無寄港世界一周レース「the Sunday Times Golden Globe Race」を模したレースイベントとなっています。

1968年は英国のファルマススタート/フィニッシュでしたが、こちらはフランス発着。
と、このあたりも、時代の変遷か。

フルクルー帰港型の「Whitbread Round the World Race 」もポーツマス、サザンプトンといった英国発着から、スペイン発の「Volvo Ocean Race」に変わり。次回からは名称が「The Ocean Race」となって……どうなるのか。

さて、こちら、最新にして旧規格の「Golden Globe Race 2018」には、18艇がエントリー。
うち13艇がリタイヤし、4艇がフィニッシュ。残る1艇、Tapio Lehinan(フィンランド:61才)の〈Asteria〉は、今だレース続行中です。

4月22日に表彰式が行われるようですが、着順勝負なので、すでに優勝は決まっており、
1位 〈Matmut〉Jean-Luc Van Den Heede(仏:73才)
1/29 09:12 フィニッシュ (211日23時間12分)

2位 〈The Ohpen Maverick〉Mark Slats(オランダ:41才)
1/31 22:18 フィニッシュ(214日12時間18分)

3位 〈One and All〉Uku Randmaa(エストニア:56才)
3/10 09:00 フィニッシュ (251日23時間0分)

4位 〈Puffin〉Istvan Kopar(米:66才)
3/21 13:58 フィニッシュ(263日3時間58分)

ちなみに、前回の〈Vendée Globe〉優勝艇、Armel LE CLÉAC’Hの〈BANQUE POPULAIRE VIII〉は74日19時間。
最初の「the Sunday Times Golden Globe Race」でただ1艇フィニッシュしたSir Robin Knox-Johnstonの〈Suhaili〉は、312日でした。
今も走っているTapio Lehinanは300日を超えそうで。
その間、1人で走り続ける……というか、1人で狭い船内にいるだけでも大変そうです。

updated on 2019/03/26


World Sailingから、2020年からの「World Sailing’s Offshore World Championship」にL30クラスが採用される、というニュースです。
»Click

L30ってどんなブネ? は→こちら

表紙にカタマランの写真があるのが、謎ですが。

こんな感じ。

で、上の記事には、「2024年のパリ五輪で採用」とはどこにも書いてないのですが。

https://www.youtube.com/channel/UCUfzRe2jzGU939IArNsZnZg