– 「Vendée-Arctique-Les Sables d’Olonne」スタート

海外レース情報
2020/7/06


「Vendée-Arctique-Les Sables d’Olonne」が、日本時間の7/4 22:30(現地時間7/4 15:30)フランス西部大西洋岸のバンデ県レ・サーブル・ドロンヌをスタートしました。

フランス語なんで、何を言っているのやら。
自動生成の字幕を日本語自動翻訳すると……やっぱりさっぱり分かりませんが。あきらめましょう。

コースは、この後アイスランドの南(北緯62度)まで北上。マークを回航したあと一気に南下しアゾレス諸島の北(北緯41度)を周り、再びレ・サーブル・ドロンヌに戻る約3600マイルの無寄港1人乗りレースです。
艇はIMOCA60。ということで、今年11月に同じくレ・サーブル・ドロンヌをスタートする「Vendéeglobe 2020-2021」(以降:「VG 20-21」)の前哨戦ともいえるレースとなります。

本来は前哨戦として2つの大西洋横断レースがスケジュールされていたのですが、新型コロナ渦でバタバタと中止になり、代わりに開催されたのがこちら。満を持してのプロ・セーリングイベントということになります。

トラッキングページは→こちら

エントリーしているのは20艇。14艇がフォイル艇ですが、同じフォイル艇でも最新艇はまただいぶ仕様が違うようで。艇毎の性能差は、このところワンデザイン艇で競われてきた「VOLVO Ocean Race」とは様相が異なります。

現在(7/6 00:00 FR)艇団は北北西の風の中、右へ右へと落とされながらアイルランドの南岸まで差し掛かり、ここでタック。真上りの中西へ出しファストネット・ロックへ向かうところ。
20KT-25KTの風は次第に吹き上がりつつしばらく続きそうですが、その後の1週間は風は弱そうです。全艇無理はしたくないでしょうから、ここがガンバリどころか。

トラッカーにあるFR(フランス時間=CEST中央ヨーロッパ夏時間)はUTC+2。日本時間(JST)とは、-7時間となります。ヤヤコシイ。

先頭を航くのはThomas RUYANT(仏:39♂)の〈LinkedOut〉。2019/9/3進水、Verdierデザインの新艇で、もちろんフォイル仕様。Mini6.5→Class40→IMOCAと正統派ともいえる艇種を乗り継いできたThomas RUYANT。前回の「VG 16-17」は2007年建造の〈Le Souffle Du Nord Pour Le Projet Imagine〉での出場でしたが、スタートから44日めにUFO(未確認浮遊物)との衝突でリタイヤしています。
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さて今回は、、、、
〈LinkedOut〉は、7/5 04:00頃一旦タックして西へ出していますが、すぐに戻し。これは戦略/戦術的なタッキングというより、スターボードタックにして右舷側の何かをチェックしたかったんじゃないかと思います。ニュースには何も書いてないですが。ここでちょっと遅れをとったかたちになりましたが、その後順当に船足を伸ばします。すくなくともこの風域では艇速ありそう。

で、このとき一旦トップに躍り出たのが、オレンジ色のニクイやつ〈PRB〉のKevin ESCOFFIER(仏:40♂)。こちらはフルクルーの帰港型世界一周「VOR 2017-2018」に〈東風〉に乗り組み優勝。その前、2012年には〈Banque Populaire V〉でジュールベルヌトロフィー(無寄港世界一周コースレコード)をとっています。「VG」は今回は初出場ということで、Thomas RUYANTとは真逆なキャリアといってもいいかと。
艇は2009/12/9建造。前回までの「VG 12-13」「VG 16-17」では同じ塗色の〈PRB〉としてベテランVincent Riouが乗り2度とも良いところでリタイアに終わってる艇です。2017年にフォイル艇に大改造し新艇なみのパフォーマンスとのこと。確かに。
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現在2位につけているのは、最新艇の1つ〈APIVIA〉。2019/8/5進水。乗り組むCharlie DALIN は地元レ・サーブル・ドロンヌ生まれの36歳で、自身セイラーであると同時にデザイナーでもあります。「VG」は初出場。なんか艇速が伸びず遅れをとってるなぁ思ったら、いきなりバカッ速くなったり。この「Vendée-Arctique-Les Sables d’Olonne」では、いろいろなモードを試しているのかも。
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ここに絡んできているのが、「VG 16-17」では〈Maître Coq〉で3位となったJérémie BEYOU(仏:44♂)。今回は2018/8/18進水の〈CHARAL〉で「VG 20-21」を目指します。
「VG 16-17」でも、先頭集団の後ろの方に位置し、他艇がトラブルで脱落する中そのまま地味に走り続けての3位だったと記憶します。
今回もそんな感じか。
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日本艇〈DMG MORI〉の白石康次郎は目標が「完走」ということで、このレースもじっくりと艇の調子を見ながら走っているようです。これを書いている時点では8位。
新艇〈ARKEA-PAPREC〉に乗る期待の若手、Sébastien SIMON(仏:30♂)は、スタート直後にUFOと衝突しすでにリタイヤとなってますから。ここは慎重に……って、どう慎重に走ればUFOを避けられるのかは分かりませんが。
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来週の「onBreeze」更新(7/13:月)は、トップ艇のフィニッシュ間際って感じか。
正直、まだ参加選手のキャラが見えてません。勉強します。記事を書く側からしてもこのレースを追うことで11月スタートの本番「Vendéeglobe 2020-2021」への良い予行演習になります。