– VOR 2017-18ドルドラムを抜けて(1/15)

海外レース情報
2018/01/15


「ボルボ・オーシャンレース 2017-2018」はLeg-4の終盤にさしかかりました。

Leg-4は、1月2日にメルボルン(豪)をスタートし、香港を目指すという大会史上初のコースです。
 第一幕ソロモン諸島へ差し掛かるところまでは先週の記事→こちらから。

第二幕は、太平洋のドルドラム。
Leg-2の大西洋南下では、すんなり通過できた赤道無風帯ですが、こちら太平洋西部のそれは完全な無風に悩まされたもよう。

目指す香港はずっと西。ソロモンの東を通らなければならないルールなので、コースの選択肢はあまりありません。そこがドップリと無風地帯になってしまったわけで……。

暑くてワッチオフでもキャビン内では寝られず。

かと思えば、いきなりのスコールに雷で。
〈ブルネル〉はマストに雷が落ちたそうで、そのとき舵を持っていたRome Kirby(USA:28歳がデッキに倒れていた、と。
大事には至らなかったようでなによりですが。
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〈ブルネル〉はこのレグからPeter Burling(NZ:26歳)他、男3人女1人が入れ替わっています。
Rome Kirbyも代わりに入ったうちの1人。第34回ア杯で防衛艇〈オラクル〉に最後まで乗っていた唯一のアメリカ人で、お父さんは6回ア杯に出場しているアメリカ伝説のバウマンJerry Kirby。

各艇に乗り込んだOBR(Onboard Reporters)がドローンを持ち込んで外から自艇を撮影しています。
視聴者から、
「ドローンで遠くの風の状況を見ているのですか」
という質問がありましたが、
「それは絶対に無い。報道用だけに使います」
との答え。

って言ってもねぇ。見えちゃいますよねぇ。

灼熱無風地獄は約5日間に渡って続いたようですが、いよいよ北東貿易風帯に入るか……。

他艇の様子も分かっているので、フラストレーションは余計たまりますね。

1月13日からやっと安定した北東貿易風圏に入ったもよう。

東よりの方がより風がありそうでしたが、最も西からショートカットを仕掛けた〈スカリーワグ〉が前に出ています。香港ベースの〈スカリーワグ〉にとっては、ここはガンバリどころ。

Leg-4は、いよいよ第三幕の開幕です。

と思ったら、いきなり〈スカリーワグ〉のAlex Gough(豪:24歳)が落水!!

外取りシーティング用のアウトリガーに乗り出して作業中に落ちたようですが、昼間で風も弱く水温も高かったこともあり、無事回収。
一人は完全に落水者を目視し指さすなど、みごとな動きですね。

。Alex GoughはヨットでアルバイトしながらアジアをさすらっていたところをスキッパーのDavid Witt(豪:46歳)に拾われたもよう。親分、子分みたいな間柄か。
落水後もびしょ濡れのままグラインダーにつかされているのが笑います。
対面でねぎらっているのは、このレグから同乗したGrant Wharington(豪:53歳)。〈Wild Thing〉のスキッパーだった人。
今調べたら……なんかいろいろあったもよう。

ということで、Leg-4はいよいよ大詰め。
落水事故をものともせず、原稿を書いている時点では〈スカリーワグ〉が先頭にたっています。

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