「アリランレース2013」のお知らせ

Talk on Breeze : Vol.5 インタビュー

玄海ヨットクラブ(JSAF外洋玄海)末松明会長
聞き手:高槻和宏
2012/07/07


前回(→Vol.2)に引き続き、末松明会長から、今年のゴールデンウイークに開催された「西山寺カップ」の様子と、来年(2013年)のゴールデンウイークに開催される「アリランレース」について、韓国のヨット事情と合わせてお話を伺いました。

ちょっと早いかもしれないけど、来年の「アリランレース」の宣伝をしておきたいんですよね。


ゴールデンウイークには他にもレースいっぱいありますから、今から覚悟を決めて、玄海目指して準備するってのはありだと思いますよ。

うん、他の海域から博多まで回航しての参加って方、けっこういらっしゃいますからね。それだけの価値はあると自負してるんですけど。

– 噂はお聞きしております。
その前に、今年の西山寺レースはどうでした?

さすがに第一回ということで、参加は5艇。
でも、日本からの〈G-ショック〉と〈ドラゴンゲートスルスミ〉に加えて、米国の〈Nereid〉、〈Seagull〉は英国から。さらにオランダから〈Tranquilo〉と国際色豊かなエントリーとなりました。〈G-ショック〉もオーナーは在日韓国人2名の共同オーナー艇だし。

— それが、対馬の由緒あるお寺に集結した、と。

そう。まあ、米、英、蘭の各艇は世界一周の途中なんで、それぞれ2~3名の日本人臨時クルーを乗せての参加ということで、まあ、レースというより合同クルージングって雰囲気が強いかな。

— なかなか韓国にヨットで行く機会はないだろうから、いいチャンスですね。

あいにく風が無くて、入国手続きの関係もあって、スタート地点を比田勝沖に変更し全艇無事に広安大橋のフィニッシュラインを切ってレースは終了。


Tranquilo

— なんかこの船、クラシックなようでいて近代的で、カッコイイですね。

そうやろ。なんか、いいよね。
で、〈ドラゴンゲートスルスミ〉の方は、その後釜山で行われた「Busan Super Cup」(BSC)に出るのが本来の目的だったわけです。

— 「Busan Super Cup」ってのが、いったいどのくらいの規模のレースなのか、想像できないんですけど。

映像あるので、これ見て下さい。
http://jp.msn.com/
のページで右上に「SkyDrive」ってボタンがあるので、
Windows LiveのIDは、
shachiga@hotmail.co.jp
パスワードは、
libelte2012
で。

— ん? 「公開」フォルダの中ですね。
おお、見られました。
実況が韓国語でさっぱりわからないけど、ダラダラと競技を追うスタイルが、ツール・ド・フランスの中継みたい。

なかなかでしょ。

— なんだか、どこかで見たような艇があちこち出てきますね(笑)

そうそう、私が6年前に売った〈VANGUARD〉もそのままの名前で走ってます。
なんでも、ハーバーは満杯状態で、バースさえあれば船はいくらでも売れるんだそうな。

— ちょっと前の日本の状況ってことですかね。

前にも言ったけど、大きなレースは国や市がスポンサーになっているようで、賞金レースなんですよね。
ここは88年のソウルオリンピックのときに造ったハーバーで、最近インチョンに大きなハーバーができたということで、なんかライバル心もあって、釜山は益々やる気を出しているみたいよ。

— そうか、ソウルってかなり北の方にあるんですね。釜山は南の外れなわけで。東京湾と鹿児島って感じ?

うーん、それもちょっと違うと思うけど(笑)
玄海ヨットクラブとしては、韓国でのIRCクラス普及のために、現地で計測の講習会を開いてるんです。長谷川さんやJSAF事務局の寺沢君にも来て貰ったんだけど、まだ新規計測をするには至っていません。アリランレースに出場する韓国艇〈Sexy Busan〉が更新したくらいで。
IRCはデータを英国まで送らなければならないのに対し、ORC-Clubは自国で証書が発行できるみたいで。韓国では今のところORCがメインみたいですね。

— ああ、なんかこの映像でも、解説の人がそれらしいこと言ってますね。

高槻、韓国語分かるの?

— いや、全然(笑)。海外暮らしが長いと、想像力が豊かになってまして。

あいかわらず、いい加減な奴だなぁ。まあ、いいか。
釜山広域市ヨット協会(BSAF)は、完全にディンギーとクルーザーの活動が一つになっていて、そういうところは羨ましいかぎりです。
クルーザーのレース運営にも、たくさんの学生が協力してくれます。普段の活動はディンギー主体なので大型のクルーザーにはまだ慣れていないけど。アリランレースのスタートでも、多くの学生が協力してくれていて、指示はVHFから出すんですけど、彼らは英語が大体理解できますから助かります。

— なるほど。ヨットの歴史が浅いのが、かえっていいのかもしれませんね。世界の状況を見据えて発展できて。日本の場合、海外の情報があまり入ってこない中で独自のヨット文化が育っていってしまったのかも。

そうそう、で、アリランレースの話ね。
アリランレースは、韓国をスタートして博多まで。
来年は40周年記念レースです。
まずは、みんなで揃って釜山まで回航し、4月26日(金)~28日(日)にこの「Busan Super Cup」に参加。これに出れば回航補助金が貰えるし、さらには賞金も狙う、と。
2日あけて、5月1日にアリランレース登録手続き、5月3日スタートして博多を目指す。そして5日に表彰式と。どう?

— はるばる回航して、レースは1日だけってのもちょっともったいないですもんね。
なら「Busan Super Cup」にも出て、回航補助金も貰えちゃうって、良いアイデアですね。
そして、伝統のアリランレースになだれ込む、と。

いいアイデアでしょ。
いやまだ、「Busan Super Cup」の方は正式に公示は出てないので、多少変更があるかもしれません。また、回航補助金や賞金金額もまだ未定ですけど。
これ、2007年のアリランレース、スタート風景。


撮影 朝日新聞社

— ほう、やっぱりどこか外国っぽいですね。

アリランレースの方は親善レースではあるけど、競技としてもキチンとやりたいんで。
日本でIRCを導入したとき、玄海ヨットクラブは真っ先にORCからIRCに採用を変更しました。
スタートラインなんかもちゃんと引かないとといつも思ってます。

— なるほど。来年のゴールデンウイークの話ではありますが、確かに今から準備しておかないと、ですね。

はい。
全国の皆様、いかがですか? 玄界灘でのセーリング。