「Log on Breeze」の編集ポリシーについて

Talk on Breeze : Vol.9 ご説明

「on Breeze」運営スタッフ 高槻和宏
2012/09/27


JSAF外洋艇推進グループの公式ホームページである「on Breeze」が正式運用されてから丸8ヶ月が経ちました。
私はこの中で、「Log on Breezs」のデータ収集を担当しています。JSAFに加盟する団体の中で外洋系とされる部分について、各団体のホームページを巡回し、更新事項をまとめていくという作業です。

ログは毎週月曜日に更新していますが、ログを集める作業がまた結構面白いんですよね。日本中で盛んにヨットレースが行われていることが実感できて。
正直いって、他の水域でどんなクラブレースがあって誰が優勝したかなんてあまり興味がないという方も多いのかもしれませんが。ここはJSAFの評議員や理事のみなさんに毎週目を通していただき、配下の加盟団体の活動ぶりを感じていただけるだけでも、ログをつけている意味はあるかなと思っています。
そしてなにより一番の目的は、レースを主催している各団体のみなさんにとって、このログが情報発信の一助になればということです。

「on Breeze」では、レガッタの広報はレガッタの主催者側で行うべきと考えています。それもまた、レース主催の楽しみの一つであり、腕の見せ所かと。
高画質の写真や動画が割と気軽に撮影できるようになり、配信にもさほどお金がかからず、わりと小規模なスタッフでもかなり本格的な広報が可能になっている今日この頃。大きなイベントだと、ヨットクラブのホームページとは別に特設サイトが設けられているケースも多くなっていて、主催団体側でも広報に力を入れているなぁと実感します。
見ず知らずの遠く離れた海域で行われているクラブレースの様子でも、魅せかた次第ではこれがなかなか興味深いものに映るのではないでしょうか。そしてそれが、主催者側にとって大規模な大会を開催するモチベーションにも繋がるのではないでしょうか。

そうした主催者側から発信される情報を、レース参加艇や主催ヨットクラブの会員以外にも、さらに広い範囲に広めるための舞台としてお役にたてるように、というのが、「Log on Breeze」の最も基本的なポリシーです。

情報にはいろいろな要素があると思うのですが、「Log on Breeze」の情報は時系列で並んでいます。まさにログ。
それぞれのヨットクラブの活動記録としても、「Log on Breeze」をご利用ください。

ここで、このログの編集ポリシーについて、改めて説明しておきます。

対象はJSAFの各委員会とJSAFに加盟している団体。
加盟団体と特別加盟団体の区別はなく、外洋系とされる団体のホームページを巡回しています。
今の時点での巡回リストは→こちら

このリストは、JSAFのホームページの記載が基本になっています。
外洋系というくくりに曖昧な部分があるので、まずはその区分けに苦労するのですが、公平を期すためには掲載順というのも重要だと思い、気を使っています。
それでもどうしても順番を付けなければならないので、
○各委員会
○外洋加盟団体 (JSAFーHPにあるリストの上から下へ)
○クラブ等の団体(同様に、基本的にそのリストの上から下へ)
○艇種別団体
○階層別団体
としています。

内容は、できるだけ私情を挟まないように、加盟する団体の公式なホームページにある記載を単純に紹介するという形式で。
公式ホームページを持たない団体には、こちらから問い合わせるということはしていません。
当初、一部関係者の方になぜホームページの更新が無いのかと聞いてみたことがあるのですが「内々でやりたいんじゃないの?」ということで。いや確かに外に広報する気はないという活動も当然あるだろうなと思いまして。

加盟している団体の名称は、正確な記述に心がけてはいるのですが、なんとなく謎な部分も多く、間違いがあったらご指摘下さい。
ヨットレースの大会名称は、特に冠スポンサーがついている大会では些細な間違いでもまずいでしょうから「レース公示」を元に記載するようにしています。誤りがあればご指摘下さい。すぐに修正します。

とにかく、公平さを第一に、ほぼ自動巡回の人間RSSとでも申しましょうか、受け身の記述をと心がけているのですが、ついつい余計なことを書いてしまうこともあり、日々反省中です。
ホームページは無いけど、こういう話題があるから掲載してくれ、というご要望がありましたら、どしどし連絡下さい。

JSAFに加盟している団体が掲載対象なので、非加盟団体との共同主催となっているヨットレースでは、加盟する団体の名前で掲載しています。
加盟する団体同士の共同主催の場合、原則としてそれが掲載されている団体側の名前になっています。
中には、主催団体のホームページには何も記載がなく、全然別の加盟団体にだけ記載があったりして、このあたりがなかなか悩むところでありますが、とにかくJSAFに加盟する団体のみです。

唯一の例外が「Sail for Smiles Yacht Race 2012」です。
このレガッタは、JSAF特別加盟団体の湘南サニーサイドマリーナとSail for Smiles Yacht Race 2012 実行委員会の共同主催となっているのですが、湘南サニーサイドマリーナのホームページにはなにも告知されていません。
となると、こちら「Log on Breeze」の掲載ポリシーからして巡回対象から外れていたのですが、実行委員会側から直接掲載依頼があったので、湘南サニーサイトマリーナとはまた別の枠での巡回対象にしています。

ということで、どうしても例外がでてきてしまうのですが、「Log on Breeze」では、そのレガッタが、いつ、誰の主催で行われるのか、行われたのかにこだわっています。
何故か?
皆様ご承知のように、『セーリング競技規則(RRS)2009-2012』の89.1でレースを主催することができる団体が制限されています。
主催権の無い団体が主催するレースで、
 
──適用規則:セーリング競技規則2009-2011──
等と記載すると、それだけで主催者が自ら適用した規則に自らが違反することになります。
主催権の無い団体が主催するRRSに違反したレガッタを、「Log on Breeze」で取り上げるわけにはいきません。
RRSを管理する日本のナショナルオーソリティーはJSAFであり、「Log on Breeze」はJSAFの公式ホームページだからです。

たとえば、「タモリカップ」。
「日本一楽しいヨットレース」として、JSAFの機関誌であるweb版『J-SALING』に取り上げられていましたが、「タモリカップ」の主催者はJSAF非加盟の団体で、にもかかわらず適用規則にJSAF競技規則(2009-2012)とうたってあります。これが「適用規則:海上衝突予防法」ならJSAFがとやかくいう筋合いではなく、また「JSAF競技規則」となっているのでなんだか曖昧なのですが……。

まあ、「ケシカラン、開催するな」と抗議するのも大人げないので、ここは、
「セーリング競技規則を適用するなら、JSAFに加盟する団体と共同主催しなければなりません」
と教えてあげるべきで、これは嫌がらせではなく、JSAFに加盟する他の団体の権利を守るためにJSAFがしなければならない介入だと思うのですが。
それを、JSAFの機関誌である『J-Sailng』で「盛り上がったぞ!」として他のレガッタを差し置いて大々的に取り上げるのはいかがなものか?
……と、いうことにならないように、主催者は誰なのか? その主催者はJSAFに加盟する団体なのか? を確認するのがなかなか大変なのです。

たとえば、九州のビッグイベントである「ハウステンボスカップ」も主催者はJSAF非加盟。
おやおやこちらも、と公示を良く見れば、協力:長崎県セーリング連盟、長崎県外洋帆走協会、とありまして、こちらとしては「うむむぅー」と唸るしか無く……。

このあたり、ヨットレースの主催権に関して、JSAFサイドでは啓蒙活動をより熱心に行う責務があり、当「on Breeze」でも積極的に取り上げ指摘していくことが、啓蒙活動に繋がるのかもしれません。

……ということで、今後も「主催者は誰なのか?」、にこだわってログの収集に務めてまいりたいと思います。

加盟する団体の皆様も、そこに所属するセーラーの皆様も、是非とも「Log on Breeze」をご利用下さい。