インタビュー 「ジャパンカップ2015」JSAF副会長に聞く

Talk on Breeze : Vol.027 インタビュー

「ジャパンカップ2015」(8/9~8/15:蒲郡開催)を盛り上げるべく、同大会会長でもあるJSAFの植松副会長にお話をうかがいました。

JSAF 副会長 植松 眞
聞き手:高槻和宏
2015/3/29



高槻 — 「ジャパンカップ2015」。8月9日から8月15日まで、蒲郡のラグナマリーナをベースに開催されるということですが。

植松 — はい。今日(3/28)の時点でエントリーは5艇、
  KARASU    King40 三崎
  SWING    Botin40 内海
  ESPRiT    Carkeek40 三崎
  PARAFRENIAN First40.7 東海
  Papillon   Soto40 三崎
となっています。
締切は4月末。なんとか10艇、集まりそうな感じです。

高槻 — いずれも40ftクラス。これで、関西から〈サマーガール〉、関東から〈光風〉と出てくれば、歴代優勝チームがほぼ揃う感じですね。
〈サマーガール〉は9月に米国で行われるインビテーショナルカップに出場するので今年はジャパンカップには出られないとのことですが。まあ、かなりの顔ぶれですね。

—- ただ、40ftクラスでジャパンカップに出るレベルのチームを指折り数えると、残り全部出てきても10艇ちょっとですよね。

そうなんです。やっぱり35ft、30ftクラスの艇にも出てきてもらえないと、艇数を揃えるのは難しい。

—- とはいえ、7月に同じ蒲郡で全日本ミドルボート選手権があります。JSAFとしては、ミドルボートとジャパンカップの棲み分けはどう考えているんですか。

JSAFの副会長に就任したときに、ジャパンカップの方をTCC(ハンディキャップ係数)でクラス分けして、大型艇と小型艇を分けたんですけどね。結局実現しないまま今に至っています。

—- 今年のジャパンカップ参加資格は全長9mから上。上限は無し、となっています。これだけ性能差のあるフリートを一斉にスタートさせて日本一を1艇決めるのは無理があります。
TCCを元に「ジャパンカップXXクラス」という枠を3つか4つ予め設けてエントリーを受け付けないと選手権にならないと思うのですが。

ええ賛成です、個人的には。
……なんだけど、「ジャパンカップは一つ」という意見が意外と多いんですよ。

—- ジャパンカップというのはどういう選手権である、ということを決める組織が、例えば「ジャパンカップ委員会」みたいな、それをJSAF内に造らないと話が先に進みませんよね。

それが「ジャパンカップ・ワーキンググループ」なんです。そこでさんざん話合って合議制で決まったのが昨年12月に出したジャパンカップ規定なんです。で、ジャパンカップは一つ、と。
これまでジャパンカップに出てきた、あるいは出ようという意思のあるオーナーから広くアンケートをとって希望を聞いています。

—- それで、開催時期も8月お盆、と。

そう。個人的には11月の第1週がいいと提案したんですけど。最大公約数といったらいいのかな、8月がいいという声が多かったので。

— ミドルボートの方々は、大型艇と一緒に走りたくない。というか、一緒にスタートしたくないといった方がいいのか。とにかく自分たちだけでレースがしたいからクラスを作っている、という感じだと思うんですよね。

そうね。
それが、ジャパンカップは一つということになると、同時にスタートして同じコースを回らせないと優勝が決められない。艇速差が大きくなると、風が振れてもコースチェンジできないし。問題はいろいろあるんですよ。それは分かっているの。

—- で、最初からクラスを造れば。って、やってみたんですよ、実際に。TCC順にずらっと並べて。
で、エイヤっとTCC:1.060から上を「JC110」クラスとしてみまして。

「JC110」?
—- Aクラス、Bクラスだと、なんかBの方が格下みたいな感じになっちゃうので。
なるほど。
となると、First40.7はAクラス……じゃなくて「JC110」クラスね。

—- で、1.059から下を「JC100」とすると、いわゆるミドルボートの主な艇種はこちらに。
JC100クラスの全日本選手権、これもジャパンカップですよ、と。

ミドルボートは全長だけでクラスを造っているけど、30ft~35ftでも軽量の高速艇が出てきているから、ミドルボートの方もこの先難しいことになるのかもね。

—- ええ。でもミドルボートのルールはミドルボートの方々が決めればいいことで。
ジャパンカップの方は、40ftクラスの軽量高速艇が増えてくれば、TCC:1.190あたりから上を「JC120」とすれば、その下の「JC110」は40ftのクルーザーレーサータイプとミドルボートサイズの高速艇のクラスにできそうです。
とにかく、ジャパンカップにエントリーする、というより、JC100クラスの全日本選手権、JC110クラスの全日本選手権、にエントリーするという感じ。クラス毎にジャパンカップを与える、と。

でもね、ジャパンカップは一つ、なんですよ。
ここんとこ、大きく考えを変えないと。

—- TCC:0.900あたりから下もクラスを作れば、ミニトンサイズの艇も誘えます。
このクラスは逆にトラック輸送が楽なので、ジャパンカップというタイトルがあれば結構艇数そろうと思いますよ。ミニトンサイズの艇のジャパンカップ。名付けて「JC900」クラス。

いいね、それ。
あれ、「JC90」じゃなくて?

—- ここだけ2桁ではなんかオミソみたいなんで、どーんと「JC900」で。有力クラスに育っていただきたい、と。

なるほど。
……って、いや、だからね、ジャパンカップは一つなんですよ。今のところ。

—- そうか。じゃしょうがないですね。
でも、今の状態では、ジャパンカップはビックボートの全日本選手権で、ミドルボートサイズの艇は数あわせ……みたいな雰囲気になっちゃいませんかね。

同時スタートだと、やっぱり大型艇には勝てないからね。

—- 別スタートにすると、総合優勝を決められないし。
あれ、植松さん、もしかして、今年はもうジャパンカップは成立しなくてもいいと思ってます?

いやーー。うーん。
……まあ、今年がダメでも来年はやりますよ。反省点も見えてくるだろうし。さらにワーキンググループでいろいろアイデア出して。
あーいやいや、私、大会会長ですから。
最低でもあと5艇。なんとか皆様エントリーお願いします。すでに強豪は顔を揃えています。このトップレベルのフリートの中で走り比べてみませんか。
IRCで全長9m以上、上限無し。
会場は関東からでも関西からでも集まりやすい中部の、設備も整った蒲郡のラグナマリーナがベースで。
JSAF単独主催となりましたが、ジャパンカップ開催実績十分のJASF外洋東海が全面的に協力していただけるので、いいレガッタになると思います。

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