– COVIT-19下の海外外洋レース事情

海外レース情報
2020/7/20


GoTo海は、是か非か。
海外の外洋レースではどうなっているのか?

– 〈CHARAL〉優勝 ————

「Vendée-Arctique-Les Sables d’Olonne」(以下「バンデ北極圏レース」)は、現地時間の7/14(20:44:08)Jérémie Beyou(仏:44♂)の〈CHARAL〉がトップフィニッシュ。

参加20艇中3艇がリタイヤ。7/16(13:08:47)に最終艇、Miranda Merron(英:51♀)の〈Campagne de France〉がフィニッシュし幕を閉じました。もちろん白石康次郎が乗る〈DMG MORI Global One〉も10位でフィニッシュしています。
以下、順位は、→こちら
でいいのか? すいません、大会webサイトは見にくいです。これ、フランス系イベントの特徴か? 

このレースは、今年11月に同じル・サーブル・ドロンヌをスタートする単独無寄港世界一周レース「VendéeGlobe 2020-2021」(以下「VGlobe」)の前哨戦です。つまり、あくまでも本番は「VGlobe」。

今回の「バンデ北極圏レース」で優勝したJérémie Beyouは、今年の「VG 2020-2021」が4回目の「VGlobe」になるベテランセーラーです。44歳はこの世界ではまだまだ若い部類かもしれませんが。
初出場の「VGlobe 2008-2009」は17日めにリグトラブルでリタイヤ。
続く「VGlobe 2012-2013」ではカンティングキールが壊れてスタート9日めにリタイヤ。
そして3度目の挑戦である前回の「VGlobe 2016-2017」では、みごと3位に入ってます。

そして今回は……。

前回、前々回は、鶏肉メーカーがスポンサーの〈Maître CoQ〉チームでしたが、今年の〈Maître CoQ〉は同じフランス人のYannick Bestaven(仏:47♂)が乗ることになり、Jérémie Beyouは同じ食肉でも牛肉系の「CHARAL」がスポンサーになっています。

艇は2018/8/18進水の最新世代。ハルは白石康次郎の〈DMG MORI〉と同じモールドで造ったもので、2019年-2020年進水の最新艇軍団と比べると1年落ち……というよりも、進水後しっかり走り込んでこなれているということかと。
一方、今年の〈Maître CoQ〉は、2015/3/12進水の旧〈Safran〉(前回ラダートラブルでリタイヤ)ですが、この「バンデ北極圏レース」でも上位艇団にくらいついてしっかり6位に入ってます。

今回の「バンデ北極圏レース」は軽風やアップウインドと、本番の「VGlobe」とはコンディションがだいぶ異なります。そして、フォイル艇は、軽風やアップウインドが弱点、とされておりまして……。

それでもやっぱり上位は、フォイル艇ですね。それも新しい艇。あるいはきっちり改造されている艇。
上の動画は前回大会のときのもので、同じフォイルでもかなり改良されて、アップウインドでも良い結果を残しているといえそうです。

他に新艇は、リタイヤになっちゃったけど、Armel Tripon(仏:44♂)の〈L’Occitane en Provence〉。2020/01/31進水で結構奇抜なSamuel Manuardデザイン。
»Click
いや、新艇はみんな奇抜ですが。

さらに、
今回の「バンデ北極圏レース」にはエントリーしていませんでしたが、「VGlobe 2020-2021」では、前回2位で今年で5度目の挑戦となるAlex THOMSON(英:46♂)の〈HUGO BOSS〉
»Click や、
Jean Le Cam(仏:61♂)の〈Yes We Cam!〉なども出てきます。
»Click

また、Nicolas Troussel(仏:46♂)の〈CORUM L’EPARGNE〉も2020/5/15進水のバリバリで、チームとしてももかなり強力なもよう。
»Click
「VGlobe」のwebサイトには詳細が出ていませんが、1974年5月11日Morlaix生まれのフランス人で、ショートハンド系の人です。

こちら、Sébastien Josseもヘルプに入っているかなり強力チームのようで、目が離せません。


– DREAM CUP 2020」スタート—

一方、同じフランスのショートハンド系外洋レース、「DREAM CUP 2020」 がスタートしています。
»Click

シェルブール(仏) → ラ・トリニテ=シュル=メール(仏)って、280マイルくらいでしょうか。いやいや違うな。「DRHEAM-CUP 1100」1100M、「DRHEAM-CUP 700」700M、「DRHEAM-CUP 400」428Mと、いろんなコースいろいろあるんですね。

レース公示と帆走指示書は→こちらから

クラスもいろいろあって……エントリーリストは、YBのトラッキング画面→こちらから。
コース毎に別画面です。

マサ鈴木の〈MILAI〉(Class40)は、「DRHEAM-CUP 700」に出ています。が、風が弱そうなんで短縮になったのか? レース公示だと7/22にスタートってなっているんだけど……。すいません、さっぱり分かりません。
これぞフレンチ。



– The Ocean Race 延期 ——-

と、フランス系のショートハンド外洋レースはコロナ渦から復活ののろしが揚がっていますが、フルクルー帰港型の「The Ocean Race 2021-2022」──こちらは英国系イベントといってよろしいかと──は1年の延期が決定されました。
»Click

2022年10月スタートで、となると大会名は「The Ocean Race 2022-2023」になるということですね。
フルクルー艇で、中華人民共和国を含む世界各国をショアチームも含めて巡るわけで。おなじ世界一周でも、シングルハンド無寄港のイベントとは開催準備段階からしてリスクがまったく異なります。

開催は確かに大変そうです。