海外レース情報
2020/7/13
7月6日にスタートした「Vendée-Arctique-Les Sables d’Olonne」は佳境を迎えております。
スタート直後の記事は→こちら
11月にスタートするシングルハンド無寄港世界一周レース「Vendée Globe 2020-2021」(以降VG)の前哨戦であるこのレース、スタート直後は結構吹かれましたが、その後はソフトに終始。 “本番” の南氷洋激走とはだいぶ異なるコンディションになりましたが、7/9、〈LinkedOut〉のThomas RUYANT(仏:39♂)がトップで、アイスランドの南に設定された「IOC UNESCO」を回航。
“IOC” はUNESCO(国連教育科学文化機関)のThe Intergovernmental Oceanographic Commission……ですから国際海洋学委員会ですか。buoyと書いてある記事もあったんで海洋観測のブイがあるのかと思ったら、virtual markとなっている記事もあり。帆走指示書が見つからず、回航時の映像も見つからず。良く分かりません。すいません。
先週の記事でご紹介したCharlie DALIN (仏:36♂)の〈APIVIA〉、Jérémie BEYOU(仏:44♂)の〈CHARAL〉と、スタート来のトップ艇団が先行しています。
レーストラッカーは→こちら
そこに割り込んできたのが、Samantha DAVIES(英:45♀)の 〈INITIATIVES-COEUR〉。
「Vendée Globe」(以下VG)には男女のクラス分けはありません。かつて、「VG 2000-2001」では英国のEllen MacArthurが堂々2位に入っています。
このSamantha DAVIESも「VG 2008-2009」で4位。「VG 2012-2013」はディスマストでリタイアしていますが、翌年フルクルー/帰港型の世界一周レース「VOR 2014-2015」には女性だけの〈Team SCA〉を率いるスキッパーとして出場しています。
なにげにこのクラスの艇がディスマストすると、その後片付けといいますか、自力でジュリーリグを設けて自力で帰港するのは、体力というか腕力というか、普通の男でも大変だと思うので。やっぱ超人かと。
艇は2010/9/20建造とちょっと古いですが、元〈Maître CoQ〉3位→〈Banque Populaire VII〉2位→〈Foncia II〉優勝と歴戦の名艇。フォイル艇です。
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さらに、トップ艇団に割り込んできたのが、39歳のドイツ人Boris HERRMANN。ドイツ人の〈VG〉出場はこれが初。といってもご本人モナコ王室との関係が深いようで。ん? モナコってどんな国なんだっけ?
ということで、艇名は〈SEAEXPLORER – YACHT CLUB DE MONACO〉。艇は、2015/8/7進水の元〈Edmond de Rothschild〉で、デビュー戦の「VG2016-2017」では優勝候補の一角Sébastien Josseが乗り、実際トップを狙えるような位置を走っていたものの、南氷洋に入ってすぐにフォイルを壊してリタイヤとなってしまいました。
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で、こちらBoris HERRMANNもいいところまで迫っていたのですが、メインセールのトラックを壊したもよう。
この先、風も弱くなりそうなんで、致命的なトラブルかと。
さて、この記事を書いている時点では、Charlie DALIN (仏:36♂)の〈APIVIA〉を先頭に、Jérémie BEYOU(仏:44♂)の〈CHARAL〉、Thomas RUYANT(仏:39♂)の〈LinkedOut〉がもつれ合うようにコース南端のGallimard Waypointに差し掛かっているところ。
メインセールを壊して後退したKevin ESCOFFIER 仏:40♂)の〈PRB〉も追い上げてきています。
白石康次郎の〈DMG MORI Global One〉も走ってます。