海外レース情報
2019/2/25
「SAIL GP 2019」参加チームを紹介していきます。
まずは、5月のシドニー大会で優勝した〈オーストラリア〉チームから。
■ Tom Slingsby(34:豪)
ヘルムスマン 185cm 90kg
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23歳でレーザーの世界チャンピオンに。
以降、2012年にはロンドン五輪で金メダルとなるなど、レーザー級のスーパースター。
翌2013年には、「第34回ア杯」防衛艇〈Oracle Team USA〉のストラテジストとして、防衛を果たします。
このときの舞台はサンフさんシスコ。
挑戦艇〈Team New Zealand〉とのモンスターマシン(AC72)を使った戦いで、1-8まで追い詰められていた〈Oracle Team USA〉がその後奇跡の大逆転を遂げるという。ああ、なんだか昔のことみたいですが、前々回のお話。
そして2014年には勲章を貰ってます。
前回の「第35回 ア杯」では〈Team New Zealand〉に完敗しますが、このときは足こぎのサイクラーシステムを採用した〈エミレーツTNZ〉のシンプルなクルーワークに対し、〈オラクルUSA〉のタクティシャンTom Slingsbyは、時にグラインダーを回し、ヘルムスマンの後ろで足漕ぎもし、さらには艇のトリムのためにバウに寝そべったりと、艇上を行ったり来たり。これではタクティクスに集中できないのでは、と当時の記事(2017/06/26号)にその敗因を詳しく書いてあります。
今回の「SAIL GP」では、全艇同じ条件で、その実力を遺憾なく発揮できた、ということでしょう。
■ Kyle Langford 1989/7/30(29)
ウイングトリマー 191cm 90kg
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16歳でホビー16クラスの世界チャンピオンに。
21歳のときには、Jimmy SpithillのクルーとしてRC44で世界チャンピオンに。
と、ハイスピード系のセーラーで、前回の「第35回 ア杯」では、Tom Slingsbyと共に〈オラクルUSA〉に乗り組みウイングトリマーを担当。
ここまではハイスピード系の王道を行くという感じですが、ア杯後すぐに「2017–18 Volvo Ocean Race」で世界一周レースにも出ています。
このときは、〈Team Brunel〉に乗り組み、ということは、「第35回 ア杯」でライバル艇〈エミレーツTNZ〉のスキッパーPeter Burlingと一緒の艇で世界一周していたということになります。
艇上で、どんな話をしていたのかなぁ。
■ JASON WATERHOUSE 1991/11/8(27)
フライトコントローラー & タクティシャン 183cm 75kg
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リオ五輪ではNacra17級で銀メダル。2020東京五輪も狙っている若手ハイスピード系のエース。
「第35回 ア杯」では、〈ソフトバンク・チームジャパン〉にいました。
ということは、この〈オーストラリア〉チームでは、この人以外は全員元「オラクルUSA」ということになるわけで。
これ、逆に、この人がどんだけ有望な若手か、という事にもなりますか。
■ KY HURST 1981/3/11(38)
グラインダー 183cm 92kg
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北京五輪には10kmスイムで出場しています。
豪州の7つのタイトルを持つなどアイアンマンとして有名な人のようですが、ヨットにも4歳の時から乗っていて、「第35回 ア杯」では〈オラクルUSA〉のグラインダーを務めています。
5人の中では年齢が一番上ですが、プロレスなんかを見ていても、筋肉系のスポーツはこの位の年代から油がのってくるのかも。
■ SAM NEWTON 1986/3/11(33)
グラインダー 188cm 93kg
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18ftスキフのJJ Giltinan International Trophyを6回獲得という、もろにスピード系セーラー。体もデカイです。
2011年からオラクルチームに所属し「第34回ア杯」、「第35回ア杯」と〈オラクルUSA〉に。
また「2017–18 Volvo Ocean Race」にも〈Team Brunel〉に第4レグだけ乗艇。
このレグはPeter Burlingは降りていたのでその代わりという感じですが、ということは、SAIL GP〈アメリカ〉チームのスキッパーRome Kirbyとは一緒に乗っていたということになりますね。ま、Rome Kirbyも〈オラクルUSA〉なんで、その繋がりか。
さて、こうしてみると、やっぱり強そうですね。〈オーストラリア〉。
〈オラクルUSA〉の派生チームという感じ。
前回の「第35回ア杯」での記載は、→こちら