-「The OCEAN RACE」第3レグスタート

海外レース情報
2023/02/28

-「The Ocean Race 2022」 第3レグスタート

フルクルー・ステージ制世界一周レース「ジ・オーシャンレース」は、2月26日、第3レグのスタートとなりました。

第3レグは、アフリカ大陸南端のケープタウンから南極大陸をぐるっと周り、ホーン岬を越えてブラジルのイタジャイまで、一気に走る12,700マイル。
全4レグしかなかった第1回の「ホイットブレッド世界一周レース」(1973-74)でも、第2レグとしてケープタウンからシドニー(豪)まで。第2回(1977-78)でも、ケープタウンからオークランド(NZ)まででしたから。
一気にホーン岬を回り込んでブラジルまで走る、過去最長のレグとなるわけです。

  ※   ※

開幕から僅か5艇の出場となっていますが、第2レグ終了時点では脱落者無し。
第3レグのクルーリストは→こちら(pdf)

第1レグのレース中にギャレーで火傷を負い第2レグは乗っていなかった〈Team Malizia〉のスキッパーBoris Herrmann(独:41才)は第3レグからスキッパーとして無事復帰。ピンチヒッターとして第2レグに乗艇していたIMOCAベテランYann Elies(仏:49才)は降りてます。

また〈GUYOT environnement – Team Europe〉のBenjamin Dutreux(仏:32才)も、第3レグから復帰。Dutreuxの代わりに第2レグでスキッパーとして乗ったSebastioen Simon (FRA)はReserve PICとしてそのまま乗艇。代わりにPhillip Kasüske (GER)が降りてます。
第2レグでReserve PICだったRobert Stanjek (GER)は平クルー扱いに降格。と、スタート前はBenjamin DutreuxとRobert Stanjekのダブルスキッパーみたいな報道もされていましたが、ドイツ色がどんどん薄まっている感じ。

〈Biotherm Racing〉はいよいよ大物女性IMOCAセーラーSam Davies (英:48才)が乗艇します。

で、2月26日14:10(CapeTown)、12:10(UTC)、21:10(JST)、
第3レグのスタートは……、
いやー、これがいろいろありまして。

時間のある方は、
フルバージョンの動画↓こちらでどうぞ。

のんびりお酒飲みながら「何やってんのよー」などとチャチャ入れつつダラダラ見るのも良いですよ。

そんなの見てらんないという方は以下、、、ネタバレになります。

南アフリカケープタウンの湾内でブイ周りを2周半、そしてよいよ12,700マイルということなのですが。
当初予定の海面にクジラがいたということで、場所を変えたら風が安定せず。
良い風が吹いているように見えたのですがスタート時点でパタっと止まり、〈Biotherm Racing〉ただ1艇がスタートを切ります。残る4艇は置いていかれた感じ。

その後、後続艇にも風が入りブンブン走り始め、〈Team Malizia〉〈11th Hour Racing Team〉〈Holcim – PRB〉が追い上げます。
これが30ノットを越える風で、フォイリングIMOCA60はものすごいスピードに。ここで見る限り、ボートハンドリングは〈Holcim – PRB〉、〈11th Hour Racing Team〉あたりが一枚上手という感じか。

ちなみに〈GUYOT environnement – Team Europe〉のGUYOTってAIでは「グーグル」って聞こえるみたいですよ。

で、いよいよ湾から出て南氷洋へ……というところで再び風がピタッと止まり、ほんとにもう艇速ゼロ。

メインセール上部のバテンが壊れていた〈11th Hour Racing Team〉はここで2時間のサスペンドを選択し、部品を調達……ってそんなことして良いのか?
バテンが折れたんじゃなくて、バテンを止めるキャップが壊れたもよう。スペアは積んでいるけどこの先長いので一応スペアとして貰っとくと。すいません意味が良く解りません。艇から電話して注文してたりして、そんなことして良いのか? 蕎麦の出前か?

一方、ダントツトップでスタートするも一気に逆転され大きく遅れをとっていた〈Biotherm Racing〉は、港に戻ってトラベラーカーの修理。こちらも2時間のサスペンド。これはまあ、しょうがないか。

で、いったいどうなるのか……というところで、スタートの中継は終わってます。

なんだかなぁ、な12,700マイルの始まりでした。
記事はこちら。»Click

で、今は……
トラッカーはこちら

〈Holcim – PRB〉が先頭に。
〈Biotherm Racing〉も追いついて、この後はサザンオーシャンの風になりそうです。

第2レグ終了(第3レグスタート)時点でのポイントはこちら。

boat leg total
〈Holcim – PRB〉 5-5 10
〈11th Hour Racing Team〉 4-3 07
〈Biotherm Racing〉 2-4 06
〈Team Malizia〉 3-2 05
〈GUYOT environnement – Team Europe〉 1-1 02

第3レグは得点が2倍になるので大きいです。

ちなみにインポートレースも、

スタートからあちゃーな展開で。というか、この艇で5艇でインショアレースって。無理あります。
»Click

〈Biotherm Racing〉はスタートガンの前にマークに引っかけてしまい、そのままドックへ戻ります。
2日後にひかえた第3レグスタートのために、ここは艇体の安全が第一。
で、あのスタートシーンだからなぁ……。Sam Daviesもあきれ顔だったし。これは南氷洋にも引きずりそう。

-〈MILAI〉レース再開

一方、二人乗りステージ制世界一周レースの「GLOBE40」の第6レグ(Ushaia → Recife)で漂流物と衝突し棄権していた〈MILAI〉ですが、最終第8レグ(Grenada → Lorient)のスタート(2/26)にはなんとか間に合わせた……んじゃないか。第6レグでリタイヤした地点から走り直し、第7レグ、第8レグのスタート地点を飛ばしてそのまま最終目的地であるフランスロリアンを目指すということですね。

悔しいだろうけど、世界一周はするぞ!!との心意気にあっぱれです。