-「The OCEAN RACE」第5レグ スタート

海外レース情報
2023/05/23

– ゲームは振り出しに

フルクルー・ステージ制の世界一周レース「The Ocean Race 2022-2023」は、第5レグ ニューポート(米)-オーフス(デンマーク)の3,500マイルがスタートしました。

5月21日(日) 18:15 UTC
20日に予定されていたインポートレースは荒天のために延期。スタート時のブイ周り部をそのままインポートレースとすることに。
インポートレースの得点は総合タイをとくのに使われるので、これがなかなか重要で。

で、第5レグの一番の問題は、第4レグでディスマスト・リタイヤした〈Holcim – PRB〉がスタートに間に合うのか。
……だったのですが、これがすべりこみセーフ。

これ、混載のコンテナ船を見つけたんじゃなくて、まるまる1隻仕立てたのか?

一方、フィニッシュ直前にディスマストでリタイヤした〈GUYOT environnement – Team Europe〉は、第5レグはあきらめてヨーロッパに向け船積みされています。こちらはもう総合の目はないのですが。

ということで、第5レグのスタートラインに立ったのは4隻。
ここまでの成績は、

boat leg total
〈Holcim – PRB〉 5-5-5-4-0 19
〈11th Hour Racing Team〉 4-3-3-3-5 18
〈Team Malizia〉 3-2-4-5-4 18
〈Biotherm Racing〉 2-4-2-2-3 13
〈GUYOT environnement – Team Europe〉 1-1-0-0-0 02

(第3レグは中間ポイントがあるので分けて書いてます)

と、ダントツトップだった〈Holcim – PRB〉の第4レグリタイアで、ゲームは振り出しに戻った格好になりました。

風弱く緊張感のないスタートシーンになりましたが。
各チーム、気合いは入ってます。

〈Team Holcim – PRB〉はスキッパーのKevin Escoffier以外第4レグから全員交代。
といっても第4レグ自体が全取っ替えだったので、第3レグで乗っていたSam Goodchild (GBR)とAbby Ehler (GBR)が戻ってきてさらにChriles Caudrelier(FRA)が加わったということ。
Chriles Caudrelierは「VOR 2017-2018」で優勝した〈東風〉のスキッパー……ということは、そのときクルーだったKevin Escoffierがスキッパーの艇にクルーとして乗る……ということ。
OBRも〈東風〉時代からの仲間です。
と、ガッチリ補強の〈Team Holcim – PRB〉ですね。

〈11th Hour Racing Team〉も、Damian Foxall(IRE)の代わりにCharlie Dalin (FRA)が乗艇。「VG2020-2021」では〈APIVIA〉でファーストホーム。救済時間を持っていたヤニック・ベスタベンの〈Maître CoQ IV〉に逆転されて2位となりましたが。IMOCAの超大物です。

〈Team Malizia〉が一番カタイメンバー構成で。
第4レグでお休みしていたスキッパーBoris Herrmann (GER)が戻り、第2レグでやはりお休みしたBoris Herrmannの代わりに乗っていたIMOCAベテランYann Eliesも加わってナビゲーターに就任。こちらも過去最強のチーム編成といっていいかと。

と、上位3チームはポイント2倍のこのレグにかなり入れ込んでいます。僅か4艇のスタートなんですけど。
僅か5艇のエントリーでも、報じ方しだいではなんとか盛り上げることができるという良いお手本です。

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