-「The OCEAN RACE」第6レグ 終了

海外レース情報
2023/06/13

– 〈11th Hour Racing Team〉トップフィニッシュ

全7レグからなるフルクルー・ステージ制の世界一周レース「The Ocean Race 2022-2023」は、世界をぐるっと回って第6レグまで終了。〈11th Hour Racing Team〉が接戦を制し第4レグ、第5レグに続いて3連続トップフィニッシュ。
総合優勝にも王手をかけました。

boat leg total
〈11th Hour Racing Team〉 4-3-3-3-5-10-5 33
〈Holcim – PRB〉 5-5-5-4-0-08-4 31
〈Team Malizia〉 3-2-4-5-4-06-3 27
〈Biotherm Racing〉 2-4-2-2-3-04-2 19
〈GUYOT environnement – Team Europe〉 1-1-0-0-0-00-1 02

(第3レグは中間ポイントがあるので2つに分けて書いてます。〈GUYOT environnement – Team Europe〉はセールの搭載枚数上限を超えていたことが発覚し-1点のペナルティーが課せられてのこの得点になります)


第6レグは、デンマークのオーフスからオランダのハーグまでの約800マイルです。

前回の「ボルボ・オーシャンレース 2017-2018」ではこのハーグが最終目的地で。しかも最後の最後に〈東風〉が逆転しての総合優勝というドラマチックな展開になった場所です。
こちら、海外レース情報(2018/06/25)で詳しくレポートしています。
-「ボルボ・オーシャンレース 2017-2018」〈ドンフォン〉総合優勝!! 

前回はオーフスでフライバイ(港内に設けたマークを回る)だったんですね。

で、今回は、第5レグのフィニッシュ地点オーフスをスタートしてまずは南下。狭い水道を通ってドイツのキールでフライバイ。再び北上し北に飛び出たデンマーク半島を回り込んでハーグにフィニッシュ。
で、今回は、ここがラス前。で、接戦ということは変わらずですが。

第6レグは微風下のスタートから始まります。

このレグからVO65も再開されます。


フィニッシュは同じハーグですが、フライバイが無いなど途中のコースが違うので、まあこちらはニギヤカシ要員という感じか。
やはり主役は完全にIMOCAにとってかわられました。

第5レグで逆転され1点差で総合2位となっている〈Holcim – PRB〉が先頭に立って南下。狭い水道を抜けたところで、〈11th Hour Racing Team〉はジャイブし〈Holcim – PRB〉はこれを追わず。フェイスを分けます。
このジャイブが功を奏し〈11th Hour Racing Team〉が伸ばして先頭に立ちます。

この第6レグから〈11th Hour Racing Team〉はFrank Cammas(50歳:FRA)を入れて補強。Frank Cammasは「Volvo Ocean race 2011-2012」優勝艇〈Groupama〉のスキッパーであり。「Jules Verne Trophy」でもタイトルをとっている超大物であります。

対して、〈Holcim – PRB〉は女性枠のAbby Ehler (GBR)以外、スキッパーのKevin Escoffier (FRA) を含む全員が交代という、やる気あんのか?なメンバー交代。Abby Ehler自身も第2レグ・第4レグは乗っていないので、スタートからここまで通しで乗っている人は一人もいないということ。
対して、〈11th Hour Racing Team〉は主力の二人は不動ですから。レースの準備から含めて、チームとしてこのレースに費やしてきた時間が違う。

ということで、キールでのフライバイは〈11th Hour Racing Team〉がトップで悠々通過。

とはいえ、やる気あんのか?と思われた〈Holcim – PRB〉もしっかり着いていき、北海に入ってからの南下で追いつき一時はトップに立ちます。

フィニッシュまで残り30マイルを切ったところ。風は軽風の真上り。フィニッシュ地点のハーグはこの画面の下にあります。
赤く囲ったところが航行禁止区域なので、この角が上マークみたいなもので。

ここから〈Holcim – PRB〉が先にタックを返すのですが、この角度が良くない。

で、戻ってもう一度。ここでタックする必要があったのか。
このときの位置情報はたしか5分間隔だったと思うので、航跡(タックした地点)は正確ではありません。更新前と更新後の地点を結ぶ線なので、航跡の角度も正確とはいえないのですが。
まあ、勝負の分かれ目はここですかね。

一方、総合3位の〈Team Malizia〉はスタートからはじき出されてスタートラインをオーバー。いわゆるリコール。戻ってスタートしなおしますが。以降良いところなし。……だったのですが、ここで追いついてきているところがすごい。

航行禁止区域を回り込んでからはリーチングになるので、手に汗は握りますが、そうそう順位は変わらない、と。

そして、6/11 10:26:52(UTC)〈11th Hour Racing Team〉がトップでフィニッシュ。
所要時間 2日18時間11分52秒。

12分23秒後に〈Holcim – PRB〉が2位フィニッシュ。
僅か1分20秒後に〈Team Malizia〉が3位フィニッシュ。
〈Holcim – PRB〉としては2位をキープしたところに大きな意味があります。
残り1レグで2点差なんで。まだ逆転のメはある。インポートレースでは〈11th Hour Racing Team〉が勝っているので、同点ではひっくり返せませんが。

最終第7レグ、イタリア、ジェノバまでの2200マイルは6月15日(水)スタート。
フィニッシュは6月25日頃と予想されているもよう。

大会webサイトは→こちら

航跡トラッカーは→こちら

オマケ映像。

第3レグで、まだドローン自撮りをいろいろ研究しているところ。
この艇の中に乗っている人間がLIVEで歓声を揚げているところがおもしろい。
このチーム、好きです。

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